
石川テレビニュース
ISHIKAWA TV NEWS
石川県内ニュース
北陸新幹線延伸ルート巡り「費用対効果だけで決まるなら政治要らない」発言した国の鉄道局長が維新側に謝罪
北陸新幹線の延伸ルートをめぐり、自民党と日本維新の会が費用対効果などを踏まえ、ルートの再検討を進めている。こうした中、国土交通省の鉄道局長が福井県の決起集会で「費用対効果だけで決まるなら政治は要らない」などと述べたことが物議を醸し、涙の謝罪に追い込まれた。いったい何があったのか取材した。
北陸新幹線延伸ルート問題で一騒動
12日、和やかなムードで行われていた北陸3県知事による早期全線開業を求めた陳情。しかし火種はその前日、福井県が主催した決起集会にあった。
今月11日夜。都内で行われていたのは、「小浜・京都ルート」での早期大阪延伸を目指した決起集会だ。そこで飛び出した発言が…
五十嵐徹人鉄道局長:
「財務省の役所の人にだまされるようにB/Cとか“うなされるように”言う人がいるんですけど、もちろん役人としてはB/Cは関係ないとは言えませんので、非常に重要なんですけど、
B/Cだけで決まるんだったら政治はいらないんですよね。」
この「結論ありき」とも取れる発言が、ルートの再検討を進めてきた日本維新の会のメンバーの逆鱗に触れた。
鉄道局長の発言に日本維新の会側が激怒
延伸ルートを協議してきた、維新のメンバーは14日朝、緊急の会見を開き、鉄道局長の発言に対し謝罪と撤回を求めた。
漆間譲司事務局長は、「着工5条件、および現在進行中である8パターンのルートの再検証を、当局自ら否定する暴挙と言わざるを得ません。客観的データに基づく議論を求める日本維新の会をないがしろにするものであり断じて看過できるものではありません。」と断じた。
さらに前原誠司共同委員長は、「この着工5条件というものを順守をすると言う中でこの議論に臨んでいるわけでして、それを鉄道局長自らが軽視をする発言というのは許されるものではない。」と怒りを込めた。
その上で、維新側の要求が実現するまで与党整備委員会への参加を見送る考えを示したのだ。
一度は決まったルート問題が再燃
北陸新幹線の延伸を巡っては、2016年に「小浜・京都ルート」に決定。しかし、地下水への影響などを懸念する地元・京都の反対運動などもあり、いまだ着工に至っていない。
そうこうするうちに、資材の高騰や、難工事が予想されることから建設費が大きく膨れあがり、さらには完成時期も当初の15年から概ね25年程度となる見通しが明らかに。
そこで去年、与党入りした日本維新の会がルートの再検討を求め、与党整備委員会では、現在、提示された8つのルートの再検討を進めている。今国会中に、あらためてルートを決定する方針だ。
石川県議会の重鎮はあきれ顔
この騒動に石川県議会の重鎮、福村県議は「2016年に小浜と米原と舞鶴の3つのルートに絞って、我々は滋賀県知事らと米原ルートを押した。ただ多くの皆さんが小浜ルートが良いとおっしゃって、最終的に小浜ルートになれば15年で大阪まで開通しますという事だった。JR西日本も含めてね。だから納得してほしいと言われたので、15年で行くのならと最終的に賛成した」と当時を振り返った。
その上で、「ルート決定から10年、一歩も進まない。京都の諸問題が解決しない、であるならば原点に帰って考えるべきだと去年訴えた。そもそも舞鶴ルートは(費用対効果を示す)B/Cが1以下だったから、一番先に候補から外れたのであって、国交省は明確にそう言ってきたのだから、それを問題なしというのは問題外な話しですね。」とあきれていた。
鉄道局長が涙ながらの謝罪
この維新側の強い反発に慌てた国交省。14日午後、すぐさま五十嵐鉄道局長が維新側に謝罪に訪れた。
五十嵐鉄道局長はまず、「不適切な発言があったことについて、まず深くお詫びを申し上げ
ます。申し訳ございませんでした。」と深々と頭を下げた。
さらに、「国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務すべき責任と身分を深く自覚するとともに、不偏不党、かつ、公正に職務遂行にあたることをここであらためてお誓い申し上げます。」と涙ながらに謝罪した。
前原氏「これで打ち止め」…与党PT出席へ
これを受け、維新側の前原氏は「鉄道局長から撤回と謝罪がございました。そして、事務次官から鉄道局長に対して口頭で厳重注意をしたということ、さらに明日の与党PTで水島次官も出席をされて、国土交通省として本件に組織を挙げて取り組むということについてお話があるということでございましたので、我々五名としてはこれを了といたしまして、明日からの与党PTには参加したいというふうに思っております。」と述べた上で、「今回の件につきましてはこれで我々としてはこれで打ち止めと」矛を収める考えを示した。
2月の衆議院選挙による自民大勝を経て、自民ペースで進みつつあった延伸ルート問題。維新としては、今回の騒動が、その流れに一石を投じることになったようだ。